今晩は、ニューヨーク時間に発表される主だった経済指標の発表予定がなく、当局者の発言も予定されていない。今晩は、先週末と同じように、これといったきっかけを見出すことができないまま時が過ぎる展開を予想している。そんな中、注目するとすればユーロだろう。ユーロについては、ユーロ安の恩恵を背景にドイツやフランスの景気拡大が予想以上に強くユーロを下支えするとみていたが、足元では、ドイツ景気の足踏みが目立ち始めている。輸出先である米国景気の頭打ちが、ドイツ景気にも影響を及ぼしているようだ。
ドイツとしては、輸出先景気の先行き不透明感が強まっているだけに もう一度ユーロ安を促したいのが本音だろう。 先週末のロンドン市場で、ウェーバー独連銀総裁が 出口戦略の早期策定に慎重な姿勢を示したのも ユーロ安誘導の本音を示したものと思われる。 仮に、こうした見方が市場に定着すれば ユーロ安は、さらに進むことになる。 17:00発表予定のユーロ圏のPMIや 23:00発表予定のユーロ圏消費者信頼感が 事前予想よりも悪化するようになれば 材料不足の今晩において、 ユーロ安が進むきっかけになるのだろう。金融緩和策の効果は?
円高対策として、日銀の追加金融緩和策に期待が集まっています。なぜ金融緩和が円高対策になるの?という質問もいただきました。そもそも金融緩和策とは何でしょうか。
金融緩和策というのは、一般には金利を下げることで、企業の資金調達を後押しし、景気の下支え⇒景気回復を図る手段です。ただし、金利が下がりきっているような状態においては、それ以上の利下げは難しいため、資金供給(市場ではよく「ジャブジャブ状態」なんて言います)をすることで同様の効果を狙います。
今回、急激に円高が進んだ背景として、米国において景気回復鈍化対策として米国債購入(すなわち米ドルを市場に供給)という事実上の追加金融緩和策が発表されたにもかかわらず、日銀の静観=無策に対する市場の失望感が大きかったと言えるでしょう。米国と日本の金利差が縮小⇒米ドルの魅力低下、ドル売り⇒円買い=円高という図式です。
本来であれば日銀が無策=日本への失望ということで、円売りになって然るべきなのかもしれませんが、先週書きました「市場センチメント」は米国の景気、金利動向を最注視して為替が動いていますので、円はあくまでその対価という流れができてしまっているわけですね。
日本は無策⇒円高⇒株安(自国通貨が強くなると株安!)という流れは経済理論から考えればまったく当てはまりません。ただ輸出産業、外需依存に偏り過ぎているのが現在の日本で、かつ市場センチメントが上記のようになっている今、仕方ないことなのでしょう。
日本の動きが主役ではないとはいっても、日本においても金融緩和策が打ち出されれば、
市場が円で「ジャブジャブ」になる⇒米国との金利差が
拡大⇒ドル買い=円売りで、円安誘導への期待となるわけです。
さて、日銀がとれる金融緩和策にはどういったものが考えられるのでしょうか。
可能性のある施策としては・・・
1)新型オペレーションの拡充
年0.1%の固定金利、期間3カ月の資金を短期金融市場に供給。資金規模を現在の20兆円から拡大、また期間も延長するなどが考えられる。
2)現在の政策金利0.1%より下のレンジへの金利誘導
前述の通り、これだけの低金利からの利下げ効果は期待しにくいが、市場に対するアナウンス効果は考えられる。
日本においては、金利が下がり過ぎて金融政策が効かなくなるという「流動性のわな」に陥っているとも言われており、たとえ追加緩和を実施しても効果は限定的かもしれません。
とはいえ、日銀は施策を打ち出すという姿勢を市場に示さないことにはセンチメントは変えられないでしょう。どうにも後手後手にまわっている日本の対策・・・早急に対処してもらいたいものですね。
為替相場の注目ポイント
菅・白川会談は行われるか?・・・円高対策への期待が剥落すれば円独歩高も
米国債利回りの動向・・・中古・新築住宅販売件数、バーナンキ講演に注目
ECBの出口戦略先送りへ・・・独IFO景気動向指数の下振れリスクに注意
豪州の政局不透明感・・・ハングパーラメントの可能性高まり目先は豪ドル売り強まるか
今晩の注目通貨ペアはユーロドル、ユーロ円としたい。また今晩の注目イベントとしては以下の経済指標があげられる。
【経済指標】
17:00
ユーロ圏製造業PMI(購買担当者指数)・速報値(8月)
予想 56.1 前回 56.7
ユーロ圏非製造業PMI(購買担当者指数)・速報値(8月)
予想 55.4 前回 55.8
23:00
ユーロ圏消費者信頼感・速報値(8月)
予想 -14 前回 -14
【米国債入札】
24日2:00
米30年インフレ連動債(TIPS)